かあさん
episode.06 ばあちゃんありがとう 容態が悪化し出したのは、父方のばあちゃんが亡くなってから8ヵ月後。僕は6歳になっていた。もともと僕の知らないところで病気だったらしい。日に日に内蔵がやられて、体の中の悪いものを排出できなくなってしまう。だから…
episode.04 嫌いだ 1通りの検査を終えた。といっても心電図とレントゲンくらいだったが。 「では、病室まで案内します」 母さんと、僕と、僕が押している車椅子に乗る、僕のじいちゃん。3人でお姉さんに付いていく。 途中、叫んでいるおじいさんや、おばあさ…
episode.03 母さん さて、やっと僕を邪魔するものはなくなった。取られてたイヤホンをまた付け直し、小説に目を落とし、自分の世界に身を投げる。 「ゆう、じいちゃんは?」 顔を上げると、母がいた。買い物から戻ってきたんだ。結構時間が経っていたらしい…